連載 精神疾患の「病態理解」にもとづいた看護・2
認知症の人にどのように看護をするか
中村 創
1
1株式会社N・フィールド広報戦略部
pp.130-139
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200983
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認知症を知ることから
「認知症」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。「記銘力の低下」「失見当識」「徘徊」などでしょうか。
私がお会いした認知症と診断された方の中に「これから夫の食事を作りに返らなければいけないんです。家に帰してください!」と閉鎖病棟内で必死に出口を探していた方がいました。この方のご主人はすでに亡くなっていたこともあり、看護記録には「失見当識のため出口を探して病棟内を徘徊」と書かれていました。問題のない記録にも見えますが、相手の状況を正確に理解した上での記録とは言えません。
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