Japanese
English
特集 精神科医療における病名告知—伝えるか,伝えるべきでないか?伝えるなら,いつ,どのように伝えるか?
認知症の病名をいつどのように告知するか?
When and How to Disclose the Diagnosis of Dementia?
繁田 雅弘
1
Masahiro Shigeta
1
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
病名告知
,
disease notification
,
アルツハイマー型認知症
,
Alzheimer-type dementia
,
タウオパチー
,
tauopathy
,
知らないでいる権利
,
right not to know
Keyword:
病名告知
,
disease notification
,
アルツハイマー型認知症
,
Alzheimer-type dementia
,
タウオパチー
,
tauopathy
,
知らないでいる権利
,
right not to know
pp.1105-1111
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206161
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抄録 認知症の病名告知については,診断がなされればできるだけ速やかに告知すべきであるものの,受容を強いることは控え,本人が否認したり,保留している場合は,その向き合い方を尊重して見守ることが大切であると筆者は考えている。それとともに,病名告知の目指すところとリスク,病気の先入観や偏見が受容に及ぼす影響,そして実臨床における告知の実際について筆者の経験から述べた。どのように告知の可否の見当をつけているのか,言葉を選びながらどのように告知の衝撃を調整しているかについて,かかりつけ医や専門医たちの経験を参考に述べた。最後に,“アルツハイマー型認知症”という病名は認知症診療において最も頻繁に用いられるが,その診断を受けた人の中には一定程度タウオパチーが含まれているとされる。そのことを情報提供すべきか否かについて検討する時期にきていることを述べた。
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