特集 「生活保護」の本丸に迫る
Ⅲ.底辺(ボトム)ではなく、基底(ベース)として考える生活保護
向谷地 宣明
1,2,3
1(株)MCMedian
2NPO法人BASE
3(医)宙麦会
pp.16-21
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200828
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
【この論文の要旨】
・生活保護という制度は、国民1人1人の「基本財」を社会全体で保障していくという、それまでになかった革新的な「イノベーション」の1つのはずだった。
・生活保護を利用したいと「今困ってます」と声を上げると、「自立」という名の「標準化の権力」がさまざまな形で入り込んでくる。それは精神科で「幻聴」について話すと、「治療」という「標準化の権力」が迫ってくるのと同じ。だから「困っている」と誰も話せないのだ。
・このシステムの問題を解消するために、ベーシック・インカムという考え方がある。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.