続MSWの目
大都会の底辺に生きる
中島 さつき
pp.64
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917524
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「太郎たちが入院しておりました当時の看護婦さんたちにも,私は一度もお会いしたこともなく,お礼の言葉ものべませんでしたが,本当に子どもたちをよくお世話してくださったそうで,感謝しております。当時何かと泣くことばかり多くで,お手紙を出さずに失礼してしまいましたが,子どもの手が離れるようになりましたら,つくづくとありがたさが身にしみます。今はあの病院にもいらっしゃらないでしょうし,お礼をのべるすべもありません。暮の30日まで仕事でしたので,年賀状も太郎に書かせたりいたしました。今日,あなた様のところへはじめて,乱筆ですが書きました次第でございます。いまだに貧乏はしておりますが,みんな丈夫になりましたのでありがたく思っております。
あの当時のことは一生忘れません。あとは太郎をなんとか卒業させたいと願っております。それまでは私も働く心算です。太郎が卒業する時は雪子も中学卒業ですので,自分たちが食べるくらいは働けるようになるだろうと思っております。今後もどうぞよろしくお願いいたします。」
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