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立ち上げ人生。そのきっかけはデイケア
皆さん、こんにちは。伊藤絵美と申します。私は臨床心理士として現場で長らく仕事をしてきています。最初の職場は精神科のクリニックでした。大学院の博士課程に通いつつ、クリニックで非常勤心理士として心理療法(カウンセリング)を担当しました。博士課程修了のタイミングで、院長から「デイケアを立ち上げたいから常勤になってマネジメントをしてくれないか」という素敵なオファーがあり、それまでしていた生活のためのアルバイトを辞め、クリニックの常勤職となりました。そして「デイケア部長」という素敵な肩書を与えられ、デイケアを立ち上げるために、場所を選定したり、スタッフを募集したり、メンバーさんを集めたり、保健所や精神保健センターにご挨拶に出向いたり、とにかく忙しく動き回りました。そして1996年春、無事デイケアをスタートすることができました。
この「デイケア立ち上げ」という仕事は私にとって大きな意味がありました。すなわち「立ち上げるって楽しい!」というポジティブ体験として私の中に深く残ったのです。場所を決め、必要な物品を買い揃え、システムを構築し、プログラムを決め、コンテンツを決め、スタッフを雇い、スタッフを教育し、メンバーを集め……というように、新たに場を立ち上げ、その場が無事回っていくようにマネジメントする、というのは私の性に合っていたようで、その後、私は自分のキャリアにおいて、「企業内ベンチャー企業の立ち上げ」「カウンセリング機関の立ち上げ(現在運営中)」と、次々と何かを「立ち上げ」ることになるのでした。つまりデイケアを立ち上げた経験を皮切りに、私の「立ち上げ人生」が立ち上がったのです。最近では、「日本スキーマ療法研究会」などという研究会を立ち上げ、その運営などをしております。
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