連載 おニューな地球人・34
ずっと昔とずっと先
きくち さかえ
pp.92
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901180
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目を覚ますと,すぐそばにきみがいる。「おはよう」と,シーツにほほをこすりつけながら目と目が会う瞬間が好きだ。
きみは,大きくなったらこの時のことを覚えているだろうか。その透きとおった目,そのまつげ,たおやかなほほ,そして思わずキスしてしまいたくなるようなくちびる。私は絶対,忘れたくない。だけど忘れてしまうから,こうして写真を撮っておくのだろう。
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