特集 横綱級ケースに遭遇!私ならこうアセスメントし、こう介入する
—【レクチャー】—「私たちが、横綱級ケースが怖くない理由」
小瀬古 伸幸
1
,
進 あすか
2
1訪問看護ステーションみのり奈良
2訪問看護ステーションみのり
pp.16-23
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200431
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なんでもやります、では破綻する
小瀬古 僕は訪問看護ステーションみのり奈良を約1年半前に設立したのですが、独立型のステーションなので、地域の相談支援事業所などからもらう依頼は、地域が困っている大変そうなケースばかりです。アルコールが絡んでいたり、子どもがいて虐待しているケースだったり、家族背景が複雑だったり。そういうケースのほうが、精神症状が重症な人よりある意味大変だったりします。
連載の第2回目(2017年7月号)に、「病院に車で連れて行ってくれ」「お風呂に入れてくれ」と、要求がどんどんエスカレートしていくオラオラ系の男性利用者のケースを書きましたが、あの人は、僕がステーションを立ち上げてから依頼が来た3ケース目の人なんです。……最初は悩みました。すごい要求の嵐に圧倒されそうな一方で、自分はこの訪問で何をしないといけないのかが見えないのです。統括の進さんに電話でスーパーバイズを受けていたのですが、その時に言われたのは、「相手はいろんなことを言うし、要望も言ってくる。でも本人にはこれが言いたい、っていうことがあるから、優先順位をつけて、ポイントを絞って、それを必ず本人と共有するようにしたらいい」って言われて、「あっ、そうなんや」って。そこで本人の意思を確認し、共有して、できること、できないことをはっきり線引きしていくようにしていきました。
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