特集 身体拘束から考える 基礎教育と臨床の関係
身体拘束減少につながる精神看護学の教育とは─都立松沢病院での実習をとおして
廣川 聖子
1
1首都大学東京健康福祉学部看護学科
pp.456-462
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200997
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本学が精神看護学実習の場としている都立松沢病院では,身体拘束ゼロをめざして取り組んでおり,実際に全国平均の10分の1程度にまで減少させている。そのような,拘束しないことが当たり前という環境で実習しているため,今回このテーマをいただいて初めは正直なところ『実習場面での葛藤,みたいな経験はないのだけど』と躊躇した。しかし,精神科医療の現場において,身体拘束実施数の増加が近年問題視されており,それらを減少させるためにどうすればよいか,といった点について基礎教育の段階から考えていくことは必要である。
そこで本稿では本学の精神看護学領域において現在行っている講義・演習,松沢病院での実習における学生の学びの内容を振り返り,今回のテーマである「身体拘束から考える基礎教育と臨床の関係」について考えていきたいと思う。
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