特集2 スプーン介助を変えれば、食べる力は復活する
スプーン介助を変えれば、食べる力は復活する
佐藤 良枝
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1公益財団法人積善会曽我病院 認知症疾患医療センター
pp.430-446
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200392
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この特集では、重度の認知症で、口腔嚥下体操などを行うことが難しい方でも、介助を適切に行うだけで食べ方が改善するということをお伝えしていきます。
食べるということは赤ちゃんの時から繰り返し行ってきた究極の手続き記憶なので、重度の認知症の人でも、食べ方を再学習することは可能なのです。
正しく介助すれば、誤嚥性肺炎を再燃することなく、炎症の指標としてのCRPも陰性化したままで、開口が円滑になり、咽頭挙上のタイミングが整い、ためこみが減少していきます。
再学習を促すためには、介助する私たちに食事介助の知識が必要です。
一見すると食べにくそうに食べている、その食べ方にこそ、改善のポイントと可能性が表れています。
認知症の人が持つ能力を、合理的に発揮できるような援助をすればよいのだという、私たちの側の視点の転換が必要なのです。
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