特別記事
—アディクション・ライブラリーを企画—アディクションについて「語る本」の図書館/「読者」になった私が経験したこと
寳田 穂
1
,
松本 佳子
2
1武庫川女子大学看護学部精神看護学
2埼玉県立大学精神看護学
pp.146-153
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200336
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第15回日本アディクション看護学会(2016年9月開催)の特別企画として、アディクションについて学べる図書館を開催した。「本」は書かれた本ではなく「人」であり、人が「語る本」となり、「語る本」の貸し出しができる図書館である。その図書館を、「アディクション・ライブラリー」と呼ぶこととした。私自身、「何をするのかわからない」状態からの出発で、新たに気付くことや学びながらのプロセスを通して具体化し、終わってようやく全体像がつかめた企画であった。ライブラリー利用者へのアンケートではよい評価をいただき、何人かからは「もっと読書したかった」などの声をかけていただいた。「語る本」になってくださった方たちからも、参加してよかったとの声をいただいた。
アディクション・ライブラリーは初めての試みであり、方法については、その場の状況に応じてまだ検討が必要である。物理的な場の設定だけでなく、人と人との関係性も含めた環境の設定については、特に考慮を要する。ここでは、アディクションについての理解を深める1つの方法として、今回のアディクション・ライブラリーの試みについて報告する。
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