特集2 脱施設化の先進地イタリアの素顔が見たい
—イタリアレポート〈1〉 イントロダクション—旅の目的
石原 孝二
1
1東京大学大学院総合文化研究科(科学史科学哲学研究室)
pp.544-546
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200287
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2016年3月14日から16日の3日間、イタリア・トリエステの精神保健局を訪問した*1。トリエステは、イタリアの精神病院廃絶運動を主導したフランコ・バザーリアが活動した所である。バザーリアは1971年にトリエステのサン・ジョバンニ精神病院の院長に就任している。1978年にはイタリアにおける公立病院の廃絶を定めた180号法が成立し、1980年にはサン・ジョバンニ精神病院が廃止された。バザーリアは1979年にトリエステを去り、1980年に亡くなるが、トリエステ精神保健局は、その後も地域精神保健医療の国際的な拠点としての活動を続け、1987年以降、WHOの協働研究センターに指定されている*2。
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