特集 オープンダイアローグの理論的主導者 ヤーコ・セイックラ教授とトム・アーンキル教授の手に汗握る3日間ワークショップ
②250人のオープンダイアローグ/③私の見た「不確実さへの耐性」/④オープンダイアローグと「隔離・身体拘束」/⑤支援者の当事者性はポリフォニーの構成要素になり得るか/⑥身体で聴く—ヤーコ・セイックラのオープンダイアローグ/⑦オープンダイアローグという鏡/⑧シンプルな方法が突き付ける挑戦的な課題/⑨この幸せの正体は何?/⑩妄想と凡庸の共存—オープンダイアローグと祖母のこと
井川 和行
,
児玉 雅司
1
,
長谷川 利夫
2
,
小林 博
3
,
野村 直樹
4
,
山本 則子
5
,
森岡 正芳
6
,
柳澤 田実
7
,
筒井 晶子
1東京都立松沢病院
2杏林大学精神障害作業療法学
3藤沢育成会
4名古屋市立大学文化人類学
5東京大学大学院高齢者在宅長期ケア看護学分野
6立命館大学臨床心理学
7関西学院大学哲学・キリスト教思想
pp.428-442
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200264
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ワークショップ2日目、アーンキル、セイックラ両氏の講義を受けながら、私はどうしても発言しないではいられませんでした。
たしかに、素晴らしい理論だとは思いました。しかし……。日本の精神科救急病院の現状はこうです。患者が興奮した状態で連れてこられたら、まず医師が診断し入院の判断を下す。鎮静、隔離、拘束、場合によっては電気けいれん療法が施される。もちろん家族と対話などできず医師が「落ち着いた」と判断して初めて家族は面会できる。そして医療関係者だけでミーティングを行ってから、患者さんに治療方針や退院について説明する—。
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