連載 悩めることも才能だ!―宮子あずさのお悩み外来⑰
どうしてもかかわりたくない患者さんがいます……
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.464-465
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100999
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- 文献概要
どうしても生理的に受け付けない高齢の患者さんがいます.
これはもう相性の問題でどうにも克服できないことのように思います.これまでに患者さんとのかかわりでうまくいかないこともたくさんありました.けれども,ここまで悩んだことはありません.同じことをされても,他の患者さんだと我慢できるのに,その人がすると心からげんなりしてしまうのです.
そんな思いでいるときに,つい先日,その方が夜間せん妄になり,ベッドから転げそうになりました.なんとかなだめようとしているとき,その患者さんにみぞおちのあたりを蹴られてしまいました.一瞬息がつまり,思わず片膝をついてしまうほどの痛みでした.親に叩かれたこともない私はこうした暴力に合うと,とまどってしまいます.今はせん妄が治まったのですが,そのとき以降ますますその人が嫌になりました.でも,「生理的に受け付けないから」という理由で担当を変わってもらうわけにもいかず…….その人とかかわっては,毎日の勤務が億劫になっています.(25歳・女性・外科系病棟)
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