特別記事
知っておきたいてんかんのこと—催奇性との関連も含めて
石田 重信
1,2
,
本岡 大道
2
1医療法人久友会あけのメディカルクリニック
2久留米大学医学部精神神経科学教室
pp.66-76
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200026
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てんかんの治療は抗てんかん薬による薬物治療が基本です。その目的はてんかん発作を抑制し寛解を期待することで、副作用なしに発作が完全に抑制されることが理想です。現在の医療では、適切な薬物療法で70〜80%の人で発作のコントロールが可能で、多くの患者さんが普通に社会生活を営んでいます。
しかし、患者さんは繰り返す発作、発作が止まっていてもいつまた起こるかわからないという不安のみならず、日常生活の制限によりさまざまな悩みをかかえています。妊娠を考えている女性の患者さんでは、妊娠・出産に関して、例えば妊娠中に発作が起きると赤ちゃんに影響があるのか、抗てんかん薬を飲み続けると赤ちゃんに悪影響はないのかなど、思い悩むことが多いでしょうし、このような心配を持つのは当然です。
本稿では、まずてんかんに関するする基本的な事項について述べ、次にてんかん患者の妊娠に関する一般的な問題点を取り上げ、最近の考え方を紹介します。
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