Japanese
English
研究と報告
統合失調症患者における既視体験の予備的検討
Déjà vu Experiences in Patients with Schizophrenia:A preliminary study
足立 卓也
1
,
足立 直人
2
,
武川 吉和
3
,
赤沼 のぞみ
4
,
木村 通宏
1
,
新井 平伊
1
Takuya ADACHI
1
,
Naoto ADACHI
2
,
Yoshikazu TAKEKAWA
3
,
Nozomi AKANUMA
4
,
Michihiro KIMURA
1
,
Heii ARAI
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
2足立医院
3平塚共済病院心身医療科
4ロンドン大学キングスカレッジ病院
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Juntendo University
2Adachi Mental Clinic
3Department of Psychological Medicine, Hiratsuka Kyosai Hospital
4Department of Clinical Neurophysiology, King's College Hospital, The University of London
キーワード:
Déjà vu
,
Inventory of déjà vu experiences assessment
,
Schizophrenia
,
Psychosis
Keyword:
Déjà vu
,
Inventory of déjà vu experiences assessment
,
Schizophrenia
,
Psychosis
pp.835-839
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100712
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抄録
これまで統合失調症患者において,既視感の出現頻度が高いものと想定されていたが,実証的な検討は少なかった。本研究では統合失調症患者(ICD-10)40例における既視感の出現頻度と特徴について,110例の健康成人を対照に,既視感質問紙(Sno)を用いて予備的検討を行った。
統合失調症群では,既視感の出現率・出現頻度とも対照群に比べ有意に低頻度であった。さらに対照群での出現頻度は,年齢が高いほど低く,学歴が高いほど高い傾向があったが,統合失調症群では年齢や学歴との関連は認めなかった。また両群の既視感経験者において,出現様態や性質に著しい相違はなかった。ただし,統合失調症群では,わずかながら心身の不快な状態で生じた。
本研究では,統合失調症患者では既視感出現頻度が低いが,既視感の質的差異は少ないことが示された。
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