連載 こうすれば退院できるし、暮らせるし。・3
地に足が着いていなくても大丈夫。それも「その人の暮らし」です。
加藤 由香
1
1ACT-ひふみ
pp.36-39
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101365
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私は、精神科病院での勤務が長く、たくさんの長期入院患者さんと向き合ってきた。退院支援のかかわりを通してその方の可能性を引き出すきっかけを作るのは、一番近くにいる看護師だと考え、病棟でも患者さんと共にこれからの人生の希望を再構築することに奮闘してきた。
病院勤務時代、他職種と協働して脱施設化と銘打った「退院準備グループ」を運営していた時期があった。グループの1年間を振り返ってたどりついた答えは、「私たち支援者の考え方を脱施設化しなければ」ということだった。それは他の誰でもない、退院を目指し始めた患者さんから教えられたのだ。連載の前回で田中さんから渡された「患者さんは変わり続けてきた。変わらなければならないのは私たちではないか」というバトンは重く、支援者としてのありようを自問自答し続ける覚悟を問われている。私たちが変わっていくためには何から始めればよいのか。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.