鏡下咡語
父祖の地へ
三好 彰
1
1三好病院
pp.364-365
発行日 1990年4月20日
Published Date 1990/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900062
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白老町ってご存じですか?えっ,「はくろうちょう」なんて知らない,ですって。困るなあ。それじゃあ,仙台市とこの「しらおいちょう」との関係なんて,まるでご存じないでしょうね。
実はこの北海道白老町,道南の人口2万記千人の小さな町なのですが,幕末に仙台藩が蝦夷地警備の為に陣屋を置いた所なのです。当時蝦夷地にはロシアの南下が続き,松前藩だけでは蝦夷地の警備ができなくなってしまいました。松前藩は幕府に支援を依頼したのですが,その任は東北の各藩に託されることとなります。中でも仙台藩は,国後・択捉と樺太の南半分を含む蝦夷地の約三分の一を警備範囲として任されるのです。仙台藩では,蝦夷地の実地調査に派遣した三好監物らの報告によって白老に元陣屋(本陣)を,広尾・厚岸・根室・国後・択捉には出張陣屋を置くことにしました。現在白老町では町の開基を仙台藩元陣屋設営の年1856年と定め,三好監物を開設のきっかけになった責任者として記録しています。そしてこの三好監物が,私の5代前の御先祖様に当たるのです。
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