連載 こうすれば退院できるし、暮らせるし。・2
「入院のままのほうが幸せでは?」にどう反論するか
田中 英治朗
1
1東香里病院
pp.61-64
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101344
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私が勤める東香里病院には、多職種で構成される退院調整チームがある。退院困難ケースの検討には、市内の相談支援事業所や行政にも、外部委員として参加してもらっている。そこで次の一手をどうしようか、地域に協力してもらえるところはないか、など膝詰で共に悩んでもらえるので、そういう面では非常に恵まれた環境である。こうした地道な取り組みの結果、実際に地域移行を実現できる患者も増えてきた。
しかし、ここ最近、地域移行を実現した患者で、自宅アパートの布団で突然亡くなっていた方や、浪費で生活が立ち行かなくなり再入院された方など、医療者からみれば残念な思いにとらわれざるを得ないケースが相次いだ。
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