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海外論文 論評 ウォーカー論文をめぐって
看護の高等理論:ウォーカー論文に反論する
Meta-Theories of Nursing : A Commentary on Dr. Walker's Article
Powhatan J. Wooldridge
1
1アイオワ大学
pp.115-117
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200336
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高等理論についての議論や,特に一般に哲学的,理論的議論をする時に起こる1つの問題は,実際上は程度の問題であることを厳密にカテゴリーにあてはめようとすることである。この問題はウォーカー Walkerが"看護の実践的知識"の特徴を"論理的組織体系や普遍性という条件をみたしていない"ゆえに非理論的であるとしたことによって想起されたことである。
第1に,著者が注釈しているように,実践の原則とは法則化することである。そしてそれらと特定の手順との関係は一般的実践学的理論が特殊な手段と目的との関係や,一般的"科学的"理論(ウォーカーのいう意味で)と特殊な描写的所説との関係や,一般的な理論的知識と特殊な価値の所説との関係と多分に相似したものである。一般的原理を実行するときに用いられる"無限に多くの限定条件"は一般的科学の法則を実際の世界の諸現象を説明したり予測したり操作したりするのに応用する場合の限定条件と異ならない。第2に,看護の実践の諸原則の論理的相互関係が十分表現されていないという著者の主張は正しいが,このことは同時に,現存する看護の実践学的理論,科学的理論,哲学的理論,および社会科学や行動科学の多くの理論についてもいえることである。たしかに諸原理をその重要度によって階層的に配列するという形や,ある種の手順の組み合わせを奨励したり,禁じたりする一般原則という形で,いくつかの統合のしかたがある。
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