特集 観察の視点にプラスしたい 身体疾患治療薬と向精神薬の相互作用
扉/身体疾患治療薬と向精神薬の相互作用という新しい問題
和田 健
1
1広島市立広島市民病院精神科
pp.24-25
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101046
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精神科へ通院・入院する患者さんの中に、高齢の方が非常に多くなりました。高齢の患者さんは複数の身体疾患を持っていることが多く、かなりの種類の薬剤を飲んでいる人もいます。精神科治療の中でも重要な薬物療法を、効果的かつ安全なものにするために、服薬管理や服薬指導は欠かせません。患者さんにとって一番身近な医療専門職である看護師として、身体疾患治療薬と向精神薬の飲み合わせについて知っておくことが必須である時代になったといえるでしょう。
添付文書上「慎重投与」となっている薬剤の組み合わせは、覚えきれないほど存在します。日常臨床では、「慎重投与」となっている薬剤同士を併用することも珍しくありません。その際には、併用する医学的理由を理解したうえで、薬物相互作用による副作用の出現を継続的にモニターし、早期発見に努めなければなりません。そこで看護師の薬物相互作用に関する知識や観察能力、患者さんからの訴えを拾う力が期待されるわけです。日常臨床に必要な向精神薬の薬物相互作用に関する知識については、いくつかのポイントがあります。それらをしっかりと学び、明日からの看護に生かしていこうというのが本特集のねらいです。
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