ナースのための臨床薬理
新しい向神経薬の副作用
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.4
発行日 1966年8月1日
Published Date 1966/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912822
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時間の要求とともに,向神経薬の進歩,発展にはめざましいものがある。その用途はますます拡がり,その新種,新製品はあとを絶たない。このように,臨床用途が拡張しその使用が日常のことになると,その用い方も次第に大胆,軽卒に流れたことも,見逃せない事実である。輝かしい臨床効果の反面,暗い副作用が次第に目立ってきた理由である。
向神経薬としては,昔からフェノバルビタール,またの名をルミナールで代表されるバルビタール酸属の薬物が,中心的役割を果してきたが,それのもつ強い中枢抑制作用,ことに習慣作用のゆえに,それらの改良が強く要望されていたが,戦後になってようやくその目的が具体化されて,バラミン,ドリデンなどのいわゆる非バルビタール酸属の鎮静剤が導かれ,その使いやすさゆえに,広く臨床に浸透していった。
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