特集 観察の視点にプラスしたい 身体疾患治療薬と向精神薬の相互作用
―“基本”がわかればおもしろい―薬の相互作用―メカニズムと観察のポイント
鈴木 映二
1,2
1国際医療福祉大学熱海病院
2北里大学医学部
pp.26-37
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101047
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「薬の飲み合わせ(相互作用)に注意しましょう」といった場合に、実は大きく2つのメカニズムのパターンがあります図❶。1つは「薬力学的な相互作用(薬の働きの力によって影響があるもの)」、もう1つは「薬物動態学的な相互作用(薬が体内で動き、変化する過程で影響があるもの)」です。「薬物動態学」とは、簡単にいうと薬の体内における動きを解明する学問です。
薬力学的相互作用は、たとえば、脳の同じ受容体に作用する睡眠薬とアルコールを併用すると、中枢抑制作用が強く発揮され、最悪の場合死に至るなどの例が挙げられます。同じ作用を持つ薬の併用は効果が増強され、逆に相反する作用を持つ薬の併用はお互いの効果を打ち消して(減弱させて)しまいます。薬力学的相互作用は個々の薬の働きが関わっているので、各論をご覧ください。
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