Japanese
English
総説
向精神薬の問題点
Problematic Points of Psychotropic Drugs
村崎 光邦
1
Mitsukuni Murasaki
1
1北里大学医学部精神科
1Department of Psychiatry, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
psychotropic drug
,
neuroleptic
,
antidepressant
,
anxiolytic
,
drug-drug interaction
Keyword:
psychotropic drug
,
neuroleptic
,
antidepressant
,
anxiolytic
,
drug-drug interaction
pp.1027-1037
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900861
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はじめに
向精神薬とは中枢神経系に作用して,精神運動機能に何らかの影響を及ぼし得る薬物を総称し,精神治療薬と精神変容薬(モルヒネ型麻薬,コカイン,覚醒剤,大麻,有機溶剤,幻覚剤,アルコールなど)に大別される。ここでの対象はもちろん精神治療薬であり,すべての領域の薬物にも増して,向精神薬は多くの問題を抱えている。精神医学への偏見,精神疾患への偏見,さらには向精神薬への偏見と問題以前の問題さえ抱えているのであるが,現今の厳しい社会・経済・文化的背景のもとで多くのストレスにさらされ,精神医学的疾患にとどまらず,心身医学的疾患を含めて一般診療科で向精神薬が用いられる頻度は急増している。向精神薬の問題点を正しく把握して正しく用いれば,種々の悩みにあえぎ苦しむ人達にとって極めて大きな勇気を与え,QOLを高めることになる。
ここではすべての向精神薬を網羅することはできないので,一般診療科での処方頻度の高い向精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬に限って,それぞれの効果と副作用に関する問題点を述べ,さらに最近注目されている薬物間相互作用について述べたい。
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