Japanese
English
解説
喘息治療薬の相互作用
Reciprocal actions among anti-asthmatic drugs
宮本 昭正
1
Terumasa Miyamoto
1
1東京大学医学部物療内科
1Department of Medicine and Physical Therapy, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.1279-1282
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205590
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はじめに
今日の医療機関における薬物療法では,単独の薬剤を投与されている患者は約10%で,大多数の患者は2種以上の薬剤,いわゆる多剤併用療法が行われている。さらに加えて多科受診の患者,一般大衆による自己投薬の患者が約30%近くに及ぶなど,薬の併用数は増大しているのが現状である。
薬物の併用は,効果の増大と副作用の軽減を目的として古くから行われてきた。薬物併用の理論については,東洋医学の漢方では「神農本草経」の陰陽,七情にもみられ,西洋医学においても,相加,相乗,拮抗の概念が提唱されている。
一方,併用による有害な相互作用も数多く報告されており,併用薬剤数の増加に従って副作用の発現頻度,入院期間および死亡率が増大するとの報告があり,また併用薬剤数の増加につれて相互作用の頻度が明らかに増大している。喘息についても同じであり,以下これについて解説してみる。
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