連載 認定看護師のつぶやき・1【新コーナー】
行動制限最小化看護師
横嶋 清美
1
,
大西 恵
2
,
近藤 陽一
3
1成増厚生病院
2赤穂仁泉病院
3大阪府立精神医療センター
pp.57,72
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100828
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横嶋:「やっぱり、まだ解除が早かったのかなぁ……」先日、30代の統合失調症の女性患者が、解除後1週間で隔離室に戻ってきた。「あの人があんなこと言って、この人がこんなことやって!」と話はとめどなく、ときには怒声をあげ動きまわる彼女は、むき出しの神経を刺激されっぱなし、興奮冷めやらずといった状態だった。「落ち着かない、怒鳴っていい? 言いたいこといっぱいあって。言えば落ち着くから。今までも暴れないと落ち着かなかったから。がんばったんだけど、ごめんね」と、矢継ぎ早に話す。彼女なりに、他の患者さんも生活する環境のなかにいて必死だったのだ。刺激の大きい一般室での環境調整は難しい、と実感するときだ。隔離室への逆戻りは行動制限が長期化してしまうケースが多いことを考えると、彼女も今回は長くなるのか……。そんなことが頭のなかでよぎりながらも、今度こそはと、「よくがんばったね! 仕切り直して、またしっかり落ち着いたら隔離室を出ようね」と語りかける私に、彼女は小さくうなずいた。まるで彼女の決意を私たち看護師に「今度は頼むね!」と伝えているように見えた。
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