連載 精神看護キーワード事典・27
大人と子どもはどちらが楽しいか
萱間 真美
1
1聖路加看護大学精神看護学
pp.106-109
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100561
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夏の収穫
今年の夏は休めなかった。さまざまな仕事で消耗し、呆然としているうちに終わってしまった。休むことにも体力と気力が必要だというのを知らなかった。あまりにも消耗すると休むこともできなくなる。こうして心の健康を知らない間に失っていくのだなあと思ったけど、どうにもできなかった。
長いこと仕事を続けているのに、今までそのような経験がないというのはいかがなものか。これまでは何をするにも新しいことがあり、わくわくするような体験が必ず伴っていた。このごろの仕事はそうではない。先が見えていると感じたり、てん末が想像できるのにあえて知らないふりをしたりする。こういうことを大人になるというのだろうか。自分には興味がもてなくても、誰かを、何かを守るためにぐっと我慢して淡々と続けること、そのことのなかに小さくても楽しみや喜びをみつけること……。
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