連載 「身体と薬」をめぐる見逃せない情報・6
ドパミン遮断を超えて―Beyond Dopamine Antagonism
長嶺 敬彦
1
1清和会吉南病院・内科
pp.86-89
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100558
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
非定型抗精神病薬の単剤化がなかなか進まないのはなぜ?
統合失調症の薬物療法はこの10年でずいぶんと変わり、定型抗精神病薬の多剤併用療法から非定型抗精神病薬単剤による治療へとすすんでいます。しかし非定型抗精神病薬の単剤化が叫ばれるわりには、必ずしも臨床の現場では単剤化がすすんでいません。その背景には種々の因子がありますが、一番大きな因子は、統合失調症の薬物療法における「ドパミンに対する考え方」ではないかと思うのです。
統合失調症の薬物療法のターゲットは中脳辺縁系のドパミン遮断ですが、ドパミン遮断を超えた発想が必要です。つまりBeyond dopamine Antagonism(ドパミン遮断を超えて)です。非定型抗精神病薬の時代になり、統合失調症の薬物療法はドパミン遮断を超えてどこに行かなければならないのでしょうか。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.