特集 なるほど納得!高次脳機能障害者への適切なケア
「ピアサポート」の力―自分のつらかった経験が、同じ仲間を助ける
中塚 圭子
1
1京都民医連中央病院
pp.48-58
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100553
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交通事故や病気で高次脳機能障害を負った彼らは、どのような症状を呈するのであれ、ある日突然、それまでの自分ではない自分になり、そして何もかもを失います。仕事や友人、時には家族さえも。自分が認められ、尊敬もされ、あるいは大事にされていたはずの関係を失う経験は、彼らに強い恐怖心や被害意識をもたらします。世界が敵に見えても仕方がないかもしれません。
高次脳機能障害者が問題行動を繰り広げるのを目にしたとき、こうした経験のない者にとっては彼らの心情はわかりにくいかもしれません。しかし、ある日突然自分が別人のようになってしまう経験は、それだけで恐ろしいことに違いありません。
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