連載 作業療法を深める・第77回
ピアサポート教育のDX化
北原 秀治
1
,
細田 満和子
2
,
葉山 靖明
3,4
Shuji Kitahara
1
,
Miwako Hosoda
2
,
Yasuaki Hayama
3,4
1東京女子医科大学
2星槎大学
3NPO法人学びあい
4株式会社ケアプラネッツ
pp.377-383
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203341
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本研究の概要
障がい当事者と共に,未来のOTを育てる「WithUs:ウィズアス」プロジェクトが,2022年(令和4年)4月に,筆者が研究代表を務める「ピアサポートのDX化による,新しい当事者参画医療社会モデルの構築に向けたシナリオの創出」(以下,本研究)1)に,新たに「教育」の視点を加え,福岡医健・スポーツ専門学校(以下,福岡医健)で始動した.本研究プロジェクトは,福岡医健の教員,作業療法学科2年生の協力を得て,作業療法教育×障がい当事者のピアサポート×デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)として,未来のOTである学生に,障がい者同士の気持ちにも触れ合ってもらいつつ,同時に将来役立つ最新のデジタル技術についても学んでもらうというものだ.社会が求めているもの(DX化)と当事者が求めているものを同時に学び,未来のOTを増やす.つまり,障がい当事者を取り巻くすべての人々,技術を巻き込みながら,広義のピアサポートという意味で,学生,そして障がい当事者,教員,研究者が共に学ぶという意味で,「WithUs: ウィズアス」と命名したプロジェクトである.
プレ講義を含め全7回のトライアルカリキュラムには,東京から,そして時には海外から,また,障がい者のメンバーは福岡・大分・長崎から協働で参加した.社会課題解決のために新技術開発を模索する企業も参画し,まさに産学官民連携で,新しい教育が行われた.それは,「講義」であると同時に,「ピアサポート」であり,「新しい技術開発」でもある当事者・市民共同参画の研究である.
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