連載 「身体と薬」をめぐる見逃せない情報・5
認知症の“問題行動”に対する薬物療法の限界を認識しよう
長嶺 敬彦
1
1清和会吉南病院・内科
pp.82-87
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100543
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こんなにたくさんの薬が必要なの?
認知症の人をケアする周辺の人たちが困るのは、恐らく“認知障害”よりも、徘徊や攻撃性などの“問題行動”のほうではないでしょうか。現時点で認知症に使用できる薬はアセチルコリン分解酵素阻害薬であるドネペジル(アリセプト®)だけです。しかしこの薬は、“認知障害”への効果はあっても、“問題行動”に対する効果は認められていません。
認知症の患者さんは、精神科病院よりも、むしろ在宅や高齢者の施設に入所している場合が多くあります。そして施設に入所している患者さんは、実に多くの薬を内服している実態があります。
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