今月の主題 消化管潰瘍—診断および治療の現況
消化性潰瘍の治療
薬物療法とその限界
春日井 達造
1
1愛知県がんセンター内科
pp.1072-1074
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206084
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胃潰瘍,十二指腸潰瘍など消化性潰瘍は胃液の塩酸,ペプシンの攻撃因子と消化管粘膜の組織抵抗とのバランスのくずれにより発生することは明らかであるが,その原因については複雑で多数の可能性があげられており,現在そのものズバリの原因療法といえるものはない.
自律神経遮断剤,新しい制酸剤,抗ペプシン剤,抗ガストリン剤その他など理論的には合理的な新抗潰瘍剤が相ついで市場に登場し臨床に供されているが,難治性潰瘍の治療成績を向上させ治療日数を短縮させることにいまだ成功していない1).一方,症状もさまざまで,実施においては個々の症例に応じた処置を講ずるべきである.
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