特集2 事件や事故が起きてしまったあとの法的対処が知りたい
連続発生している精神科病院に関連した事件を振り返る―医療安全の課題として浮かび上がってくること
吉浜 文洋
1
1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科
pp.48-58
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100524
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
我々の職場の安全がゆらいでいる
昨年9月から今年初めまで、精神科病院が関連した事件の報道があいついだ。精神科医療に従事する多くの人が、「またか」という思いと不安を抱いたことだろう。長らく精神科医療に携わってきたが、こうした事件報道の連続は経験がない。この連続性は何を意味するのか。
こうした事件報道から感じるのは、患者、医療スタッフ、双方にとって精神科病院は安全が十分に保障されている職場とはいい難い状況にあるということである。医療スタッフの感じるこのような不安は患者にも伝わっていることだろう。両者にとって病院環境が安全であるために検討されなければならない課題を、事件・事故報道を素材に考えてみる。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.