連載 技法=以前・5
「信じる」ということ その2
向谷地 生良
1,2
1浦河べてるの家
2北海道医療大学
pp.83-88
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100462
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統合失調症をかかえて入院中のAさん(20歳代・男性)を病室に訪ねた。幻聴に影響されて「死刑が宣告された」と叫ぶなど病状が不安定である。妄想的な言動によってコミュニケーションがとりにくくなると、食事や服薬も拒否的になってきて看護師の手を煩わせていたのだが、スタッフや仲間の熱心なかかわりによって徐々にコミュニケーションをとれるようになってきた。
そんな矢先、Aさんが看護師に手をあげたという話が聞こえてきた。いつも熱心にかかわりをもつ看護師に対する行為だったので、スタッフには戸惑いが生まれているという。そんな話を耳にして、さっそく病室に出向くことにしたのである。
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