特集1 うまくいく「退院支援」にはツボがあった
―訪問看護で導入する……―症状自己管理モジュール
佐藤 珠江
1
1埼玉精神神経センター
pp.35-42
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100434
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1 疾患そのものに対する看護がするどく問われる時代になった
私は看護師として、精神科デイケアと精神科訪問看護部門の両方を担当しています。
精神科医療は今、その重心を入院から地域へと大きく変えようとしています。3か月という入院期間を一区切りに患者さんが退院するようになってきた現在、入院だけで治療が完結すると考えることには無理があると思います。病気を認めることができず薬を飲むことにも拒否的で、再燃のリスクが非常に高い患者さんもいます。その意味では地域に戻ってから、症状と生活とにどう折り合いをつけていくかという点で、さまざまな試行錯誤と本格的な治療がはじまるといっても過言ではないでしょう。
そしてそうした試行錯誤の治療過程につきあうのが、私たちデイケアや訪問看護の看護師です。地域を支える私たちに「疾患そのものにどのように看護を提供していくか」がするどく問われる時代になったということでしょう。
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