連載 当事者研究・27
人格障害の研究 その2 「見捨てられ不安」の研究―“嫌われショウコ”の一生
加藤木 祥子
1
1しあわせ研究所・人格障害系研究チーム
pp.100-104
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100308
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1.はじめに
“嫌われ松子系”の人間宣言
いま人格障害は、さまざまな面で注目を浴びることが多い。事件がらみはもとより、精神医療の現場でもトラブルが絶えず、扱いに困る患者は“人格障害系”というレッテルを貼られ、一種のダストボックスに送られるような扱いを受ける。
そこで人格障害系といわれている女性メンバーが集まって、“人格障害系の人間宣言”といったかんじで、まずは自分たちの体験をまとめて報告する試みをはじめた。その成果の1つとして、前号では「苦労の雪だるまの理論」と「石ころの原理」を明らかにした。
しかしメンバーで議論をしていくなかで、“人格障害系”といっても、個人によって微妙な差があることがわかってきた。今回の報告者は、最近ヒットしている映画に喩えていうならば“嫌われ松子系”であり、これが人格障害系の本流といえるかもしれない。
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