連載 思い出すけっち[あの人、あの時、あの言葉]・30
病院嫌い,看護婦嫌い
塩谷 スミ
1,2
1河渡病院職員研修室
2新潟市民病院看護部
pp.542-543
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900654
- 有料閲覧
- 文献概要
町の病院にて
小学校5年生のある日.その日は日曜日だったが戦中のことで,出征兵士の留守宅に田植えの勤労奉仕に出ることになっていた.裏にコルクを貼った姉の草履を履き,雨上がりの裏庭に出たところ足元が狂い,アッと言う間もなく転倒.起き上がって気がついたことは前腕の変形と,医学的に言えば機能障害.
一瞬訳が分からず荘然としていた.家人は留守,どうしようと心配するだけで何もできない.ともあれ勤労奉仕の欠席だけは届けねば,と学校へ行き小使いさん(当時の呼称)のおばさんに伝言をお願いして一息ついた.その後,町の病院を受診してギプスで固定,マッサージへと進んだが,ここで病院嫌いの芽が出るのである.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.