特集2 新人ナース必携お助けガイド! 精神科で抜けがちな身体観察の基本を確認
採血データの読み方―精神科看護における“採血”の意味と“採血データ”の解釈
畠山 卓也
1
,
中村 弥生
1
1東京女子医科大学大学院看護学研究科博士前期課程精神看護学CNSコース
pp.51-65
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100303
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
データと身体状態とのギャップ
精神科身体合併症看護の経験のなかで、筆者(中村)は、患者の状態と検査データの示す値とのギャップに驚くことがたびたびありました。“こんなに採血データが悪いのに、患者はニコニコしている”といった具合です。“検査結果と患者像が異なる”ということは、精神科の身体合併症看護においてはよくいわれることです。もちろん患者をよく観察すれば、わずかでもいつもとは異なるサインを出していることが多いのですが、見た目では判断しにくく患者からの訴えも少ない精神科では、採血データなどを含めた臨床結果によって最終判断をしていく姿勢がより重要になります。
しかし、ただ単に採血データの読み方を知っていれば対応できるかというと、そうではありません。採血データの解釈は、日常の患者個人の姿を知っているからこそ活かされるものである、と筆者は経験的に実感しています。言い換えれば、患者をよく知っている精神科看護師が採血データを解釈すること、そのことが今重要であり、必要とされていると思うのです。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.