増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
Ⅴ 採血室の運営と工夫
採血教育と採血手技の評価
秋永 理恵
1
,
稲葉 則和
2
,
下野 僚子
3
1飯塚病院中央検査部
2小林クリエイト株式会社ヘルスケア事業部ヘルスケア開発部ヘルスケアシステム課
3東京大学総長室総括プロジェクト機構「プラチナ社会」総括寄付講座
pp.324-329
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207928
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はじめに
「私,失敗しないので!」という医療ドラマでの決め台詞があるが,日常の患者に対する生体侵襲のある医療行為で最も頻繁に実施している採血では,失敗はつきものである.しかし,この採血失敗は患者への心証を損なう他,採血実施者のメンタルにも悪影響を及ぼすことは周知の事実である.そこで“失敗させないシステム”を考案し実践したところ,ある程度までは失敗率の低減ができた.失敗しないことにより,待ち時間の短縮,無駄な物品の削減ができ,病院運営にも貢献できた.また,さらなる失敗率低下を目指し,失敗の原因を特定し,個人に対して失敗原因に対応する教育への取組みも開始した.安心・安全な採血室を実現することが私たちの望む採血室であり,それを実現するための業務改善について紹介する.
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