連載 ケアフルな一冊『哀愁的東京』
懐かしさと哀しみと……
坂田 三允
1
1群馬県立精神医療センター
pp.75
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100211
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このところ,難しい本が読めなくて(読みたい本はたくさんあるのだけれど,読み始めるとすぐにウトウトしてしまうので,最後まで読めないという悲しい現実。でも,だからこそ本書とも出会えたのだから嬉しいことでもあるのだけれど),あんなに好きだった推理小説さえ,海外のものは名前が覚えられなくてだめ。漫画もよいのだけれど,これはすぐに読み終わってしまうので,通勤時間を考えると4~5冊持ち歩かなくてはならないから,重くなって大変。というわけで,読む本が限られてきて,ほんとうに久しぶりに文芸書を何冊か読んだ。これはそのうちの1冊。
帯封には「これが――僕が出会い,見送ってきた『東京』。」「生きる哀しみを引き受けたおとなのための“絵のない絵本”」とある。書かれているのは,一昔前の東京,華やかに生きていた人々,忘れがたい青春時代,そして時の流れ……。
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