特集2 「心神喪失者等医療観察法」で精神医療はどう変わるか
精神医療・看護と社会防衛の関係を整理する―看護の現場からみた新法
吉浜 文洋
1
1静岡県立大学短期学部
pp.65-74
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100186
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措置入院か刑務所かの玉虫色の判断
2つの事件―この20年で変化した検察の対応
触法精神障害者問題というとき,まず頭に浮かぶのは,私自身が勤務する病棟に入院していた30代半ばの男性Uである。
Uは,民間病院入院中に同室の患者1人を刺殺,1人に重症を負わせ公立病院に措置入院となったが2年足らずで退院。退院1か月後,通り魔的に通行人を刺し(殺人未遂),公立病院に再度措置入院となった。そして,入院5か月後,再び入院中の患者を刺殺する院内殺人を引き起こす。
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