特集2 「心神喪失者等医療観察法」で精神医療はどう変わるか
医療観察法施行に向けた厚生科学研究がはじまることを受けて
為金 義博
1
1精神科看護管理研究会
pp.63-64
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100185
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この法案は,多くの問題を指摘されてきているが,法施行に向けて取り組まれている新規事業について,あえて看護の立場から私案を述べてみたい。悔いを残さないためには,公開での議論も行なわれるべきである。いまだにマンパワーに関しては不明瞭な部分もあるが,これまでの精神科看護と比較して,比べものにならないマンパワーが措置され,理想モデルの実現には絶好の機会と考えるからである。
無断退去(離院)と危険物による事故(薬物含む危険物の持ち込みと院内殺人など)がこれまで以上に許容されない施設である。精神科医療機関としては完全禁煙に踏み切れるかという難題もある。冷房は医療刑務所では使用されていない。治療とプログラム参加は強制治療を原則とするのか,電気ショック療法,薬物療法を含め,インフォームドコンセントを原則とするのか,その点を権利告知の対象とするのかという難題もある。
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