特集 「身体合併症」の極みとしての「がん」看護
[3]研究論文を読んで
―単科精神科病院の看護師として―➀末期の痛みに苦しむ患者のそばにいて―怒りと悲しみが無力感に転化したとき
折笠 精士
1
Akihito Origasa
1
1井之頭病院
pp.38-42
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100003
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精神科単科の病院で働いて感じる難しさは、患者さんとのかかわりだけでなく、設備や制度の不備によってもたらされるものも少なくないように思います。それは日々働くなかでは漠然としか感じられませんが、常に不全感のもとになっているようです。美濃さんの論文はそうした問題のありようをかなり整理してくれたように感じました。
この論文では、がんを抱える精神科の患者さんの問題について全体的に記述してありますが、ここでは私が昨年受け持った「がんの末期」の患者さんの事例を通して、実際の現場ではどのような困難があるのかを細かく記述してみようと思います。
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