特集 終末期にできること
特集3
高齢者の終末期をどうとらえるか
横内 正利
1
1いずみクリニック
pp.973-979
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902520
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高齢者の終末期については,多くの誤解と混乱がある.たとえば,高齢者についてもがんの終末期を想定した議論が展開される.その一方で,終末期とは考えられない状態が終末期と即断されて議論されている.高齢者の終末期とは何かという基本的な問題意識を欠いたまま,終末期医療,あるいは,ターミナルケアという言葉だけがひとり歩きしてしまっているのが現状である.もし,このような流れがこのまま医療費抑制の流れに合流すれば,高齢者の生存権そのものが脅かされかねない事態となろう.
こうした現状を踏まえて,本稿では,高齢者の終末期をどうとらえるべきかについて,高齢者医療に携わる医師の視点で述べてみたい.
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