特集 短期入所と通所サービスをめぐる課題
特集4
医師の情報提供書―ショートステイ,デイケアに関してどうあるべきか
石橋 幸滋
1,2
1石橋クリニック
2自治医科大学地域医療学
pp.886-893
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902089
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主治医意見書は情報提供書として利用できるか?
介護保険が始まり,我々医師は初めて主治医意見書なるものを記載するようになった.今までも医師は,他の医師に対して患者の診療情報提供書,病院ではコメディカルスタッフに対して治療に関する指示書,訪問看護婦に対しては訪問看護指示書などを書いてきているので,医療関係者に医学的観点から必要な情報を伝えることには慣れている.しかし,主治医意見書のように,医療に関してあまり知識のない人にもわかるように,生活支援という観点から医学的な情報を伝えることには不慣れなため,介護に必要な情報がもれてしまうことも多い.私も介護認定審査会の委員長を仰せつかっているが,病気の説明だけで,申請者の状態がわからないために,認定審査の役に立たない主治医意見書を見ることが少なくない.
もともと主治医意見書は,認定審査を行なうための参考資料として作成されたものであり,かつ多くの医師に書いてもらうために,できるだけ手間を省くように改定されてきた経緯がある.そこには,主治医意見書をケアプラン作成のための基礎資料にするという認識はなかったので,これを基に在宅であれ施設であれ,有効なケアプランを作成することは困難である.
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