焦点 感染予防に関する看護研究
解説
院内感染に関する看護研究を現場でどう生かすか
高橋 泰子
1
1東京大学医学部付属病院看護部・手術部
pp.269-275
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900204
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はじめに
院内感染を扱う場合,2つの視点からのアプローチが必要である。即ち,施設管理的視点と感染看護的視点である。
施設管理的視点では,従来から多くの病院で行なわれているように,病院長や副院長などの施設管理責任者を委員長にした感染対策委員会を作り,院内感染の統計をとり,疫学的アプローチで流行株を特定し,感染経路をさぐり,感染源を見つけて対策を行なうというやり方である。このアプローチで看護ができることは,インフェクションコントロールナースとしてこのチームに参加し,病棟での情報を委員会に伝えたり,また委員会の情報を病棟に伝えたりするリエゾン的性格が強い役回りであると考えられるが,わが国ではその活躍分野が未だ確立していないので,今後の発展に期待したい。
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