特集 訪問看護と栄養管理・1
在宅栄養管理における訪問看護婦の役割―PEMリスク者のスクリーニング,栄養ケア,モニタリング
杉山 みち子
1
1国立健康・栄養研究所成人健康・栄養部成人病予防研究室
pp.851-856
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901902
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はじめに
高齢者ケア・サービスの一環として,栄養管理サービスの必要性を明らかにし,その方法論を標準化するための研究が,厚生省保健事業推進補助金研究「高齢者の栄養管理サービスに関する研究」(主任研究者 松田朗)として取り組まれて4年が経過しました.その成果から,タンパク質・エネルギー低栄養状態(protein energy malnutrition,PEM)が,ケアの必要な高齢者の最大の栄養問題であることが提言されました.
全国9地域における介護療養型施設入居中の女性722人,男性326人においては,女性39.4%,男性42.8%もの高い割合で血清アルブミン値3.5g/dl以下の人が観察されました.また,全介護状態の人では,血清アルブミン値3.5g/dl以下の人の割合は6割以上に増大していました.同様のPEMの出現状況は,福井県の在宅訪問患者でも観察されており,女性98人中34.7%,男性75人中31.6%に血清アルブミン値3.5g/dl以下の人を観察しました(図1).
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