生命輝かせて―臨床医としての真髄を求めて・1
そのときの出逢いが
有働 尚子
1
1みさき病院神経内科
pp.59-64
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901878
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連載をはじめるにあたって
□世界に類をみない急激な高齢化の意味するもの
激動の20世紀が最後の幕を閉じる1999年という記念すべき年頭を迎えるに当たり,21世紀などとはまだまだ遠い未来と思っていた頃が,つい昨日のことのように感じられるのは私も年をとった証拠であろうか?19世紀後半より科学が飛躍的な発展を遂げ,今世紀のテクノロジーの発達は,我々人間の生活を至る所で一変させてしまった.エネルギー革命に始まり放射性物質の発見とこれに続く原子力の開発,そして当時の科学者たちが意図しなかったであろう原子力爆弾の発明および投下.また微生物学・薬理学・遺伝子学の目覚ましい発展により様々な疾患の克服がなされたかに見えたが,これと同時にAIDSなどの新たな疾病も出現している.
ここで我が国の変遷に目を向けると,これら先進医療技術の進歩により西欧先進諸国を抜いて世界一の長寿国となったのも20世紀における一大快挙であるが,ただ単に世界一と手放しで喜んでよいものかどうか.
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