寝たきり起こし―そのメカニズムとモノ選び・1
「動作」に強い看護婦になろう
窪田 静
1
,
河添 竜志郎
2
1健和会補助器具センター
2熊本住まいづくり研究所
pp.51-58
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901877
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看護婦は「動作」を考える能力が低い……と私が気づくきっかけになったのは,今から12年前,神経内科外来で筋疾患の女性の排泄自立支援をしようとしていたときに相談したPTの「便座を高くしたらいい」という助言だったと思います.結果的にその意見自体は実用的ではなく,その後協力してもらうことはなかったのですが,それからの自分自身の試行錯誤のなかで,その言葉の“背景”にあったものに幾度となくぶつかることになりました.つまり,排泄という複雑な生活行為を細かな動作に分解して1つひとつ評価していくこと,またそれぞれの動作がどのような条件で容易になるかをきちんと検討していくことの大切さ,さらにそのための基礎的な能力を自分は獲得してこなかったということに気づかざるを得なかったのです.
そしてその“背景”は,私はなぜ腰痛になり,どのようにそれを克服したか,ということの源でもあることが理解できるようになりました.
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