特別寄稿
カナダBC州在宅人工呼吸ケアから学ぶこと―訪日した地域呼吸療法士Irene Hanley氏のコメントより
松井 和子
1
,
荻野 潔子
1
1浜松医科大学看護学科
pp.275-286
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901799
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はじめに
●日本の人工呼吸器使用者の現状
「人工呼吸器は病院のICUで使用する生命維持装置」──そう考える医師やナースが今なお少なくない.しかし現実には在宅での人工呼吸器使用者は着実に増えている.転院先がなく,やむをえず自宅退院する場合が多いが,在宅での生活を望まれて退院される人もいる.
とはいっても,在宅で病院看護のような交替介助体制を組める家族は稀である.大半は専従介助者となった家族の1人が人工呼吸器や加湿器などの安全点検,吸引,食事や排泄の介助と,毎日24時間拘束された生活となる.
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