連載 比較介護論・6
デンマークのホームケア・6
県の保健看護婦の仕事と予防への取り組み
村嶋 幸代
1
1東京大学・大学院医学系研究科・地域看護学分野
pp.227-230
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901792
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県の保健看護婦という存在
今回はInger Bentzen(インゲ・ベンチェン),Fyn(フユン)県の県庁に勤める保健看護婦の話から始める.保健看護婦は,看護婦としての資格取得後,1年以上の現場経験を経て,保健看護婦になるための1年間の教育を受けて得られる資格である.コムーネに勤める保健看護婦は,新生児・乳児訪問や,学校で児童の健康管理に携わっている.日本で言えば,健康小児を対象とする分,より保健婦に近いであろう.
そのような保健看護婦の中で,市町村に当たるコムーネ以外に,県に当たるアムトに勤める人がいる.実は,彼女に出会ったのは,偶然である.彼女の夫君がオーデンセ大学医学部教授で,ヨーロッパ各国から高齢者の地域ケアの研究者が集まった研究会の後で,彼の家に参加者全員が招待されたのである.オーデンセからバスで50分ほどの元農家だった家で,息子2人も両親を手伝い,40人ほどの客をもてなしてくれた.
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